ほぼ毎日のように新聞・ネットニュース等々で<心の病><うつ>といったメンタルヘルスに関する言葉が飛び交っている。実際、うつ病の生涯有病率は女性10~25%男性5~12%といわれているし、統合失調症も100人に約1人の割合ともいわれる。非常に身近なものであると思う。
学校にはスクールカウンセラー、企業には産業カウンセラーを置くという具合に、以前に比べていろいろなところでメンタルヘルスについての取組みが進んできたように思う。街中ではメンタルクリニックと掲げる診療所もあり、メンタル面での通院・カウンセリングに対しての敷居は低くなってきたのではないだろうか。とはいうものの、通院やカウンセリングを受ける前にまずはセルフケアに努めたいところだ。
いくつか方法はあるようだが、カウンセリングに抵抗がある方向けに<人の認知>という部分からメンタルヘルスに焦点をあてた「認知療法」と呼ばれる内容を簡単にご紹介しておく。これは<出来事-認知のし方(フィルター)-感情(気持ち)>という部分に焦点をあてたシンプルなもの。例を挙げると、全く同じ災害にあったAさん、Bさんにおいて、Aさんはショックで落ち込み、Bさんは落ち込むことなく元気なまま、という不思議なことが起こる。これは<出来事>が同じでも<フィルター>が異なることでフィルター後に出てくる<気持ち>も異なる、ということ。当たり前なようで、つい<気持ち>にスポットがあたってしまい、意外に自分自身の<フィルター>がどうなっているかに目を向けることは少ないようである。<フィルター>が変われば<気持ち>も影響を受けるという考え方だ。特に、一部の経験から過度に一般化、良いか悪いかの二者択一、恣意的推論(根拠がないもしくは全く反対の証拠があっても悲観的・否定的な結論を出す)といった認知(フィルター)は代表的な認知の歪みとされており、そこからより適応的なフィルター(例 別の見方を考えてみる等)を選択していくという形で進んでいく。もちろん、これは「療法」の一つであるため基本的には専門家の指導のもと行うのがよいが、まずはセルフケアとしてできるところから自分のフィルターを確認してみてはどうだろうか。